やねうらストーリー

東京で働く人の、頭の屋根裏にあるこぼれ話

婚約しました

気づいたら、最後の記事から三年余りが経っていた。この三年で、私の人生は根本から変わり、私と言う人間もほぼ別人になった。いや、元々の自分に戻ってきた、息を吹き返した、という方が正しいかもしれない。生き返って初めての春を、今、桜を見ながら味わ…

大人になる

まだ高校生だった頃、自分がいつか大人になるなんて思ってもみなかった。いつも目に見えていたのは目の前のその日かせいぜい一年先、長くて大学受験までで、将来のことは将来の自分がなんとかしてくれるだろうと思っていた。 10年が経った。 学生だった頃に…

私の推し、カワウソ

私には「推し」がいる。 元々私はそこまで何かに入れ込むタイプではなく、芸能人や好きな映画や本のキャラクターも割と距離を保って見ることが多いのだけど、この「推し」に出会った瞬間に心を射抜かれてしまった。心がとろけるとはこのことか、といまだに見…

「Joy Luck Club」を読んだ

中国系アメリカ人の作家Amy Tanの「Joy Luck Club」は1950年代のサンフランシスコを舞台とした小説。中国から様々な苦労を乗り越えてアメリカに移民してきた母たち4人と、彼女らがアメリカで産んだ4人の娘が交互に自分の物語を語る構成になっている。 タイト…

もう一度ただいま

数年の時を経て、アメリカに帰ってきました。すごく、すごく、嬉しいです。 勢いをつけるためにこないだ観て面白かった「プロミシング・ヤング・ウーマン」の感想を先に投稿したのですが、やっぱり久しぶりに帰ってきたので近況アップデートを書きたいと思い…

「プロミシング・ヤング・ウーマン」を観た

ポスターの見た目から、可愛い女の子のパワフルな復讐劇で、割とお決まりなパターンのハリウッド映画かと思っていた。完全に裏切られた。 この映画は非常にネタバレセンシティブなので、なかなか内容を書けないのだけど、主人公の背景も、周りの人々も、起こ…

灯火

「ただいま」の記事を書いてから、ちょうど一年ほどが過ぎました。 実はここしばらく全く前進していない気がしてちょっとへこんでいたのですが、前回の記事を読み直すとこの一年で自分は激変していて、まあ変化があったと言うことはちょっとは前進しているよ…

「異形の愛」を読んだ

異形の愛 作者:ダン,キャサリン 発売日: 2017/05/29 メディア: 単行本 カルト的人気を誇る小説「異形の愛」。原作のタイトルは”Geek Love”。 Geekという言葉は「オタク」という意味で現在は使われるけれど、昔はサーカスの見世物芸人でニワトリの首を食いち…

オデュッセイアの力強さ

*この記事は他のブログで書いたものなのですが、こちらのブログにも掲載します。全く同じ記事を他のブログで見たら、盗用ではなく、同じ人が書いたものです。 オデュッセイアのことは、もちろん知っていた。言わずと知れた古典の名作だ。西洋文化をキックス…

ただいま

お久しぶりです。 なんとなんと、前の記事から2年以上がたってしまいました。 前の記事を書いたのは、大学を卒業して初めての仕事が始まった直後。その時を思い出そうとしても、うまく自分が何を考えていたのかが思い出せないくらいに、いろいろなことをこの…

働きはじめました    

お久しぶりです。前回の投稿から7ヶ月もたってしまいました。 この七ヶ月で色々なことがありました。友人と始めたプロジェクトは頓挫し、異国での大学卒業一ヶ月前になって住む場所も仕事も全くアテのない状態になり、とにかく日本に帰りたくない一心で両親…

変わらないといけない

ついに四年生の春学期。そろそろ卒業が近づいてきました。 前の記事で、「就職したくない」と書きましたが、少し進展がありまして、起業することにしました。 annica.hatenablog.com 起業といっても、いきなり会社を設立するのではなく、シリコンバレーでい…

米国留学生からみた大統領選挙

誰もが予期しなかった選挙から数日がたち、少しずつ生活も落ち着いてきて、トランプ氏が次期大統領になるということが現実味を帯び始めてきたので、考えている事を書こうと思います。 火曜日の夜はショックすぎて何がどうなっているんだ、という感じだったの…

アメリカの大統領選をうけて

大統領選が終わりました。結果が出る数時間前までは絶対にヒラリーだろうと安心して図書館で勉強していたのですが、投票結果が出るたび、フロリダの色が変わるたび、心配がどんどん募り、結局ぎりぎりまで画面にかじりついていたので、寝たのは2時過ぎでした…

大学4年生だけど就職したくない

突然ですが、就職したくない!!! 「したくない」だとかなりわがままな感じだけど、より正確に言えば、「なぜ就職しなければいけないのか」が分からないから、と言うのが本音です。 「就職する」という言葉だけなら分かる。けれど、現在の日本社会で「就職…

パトリック・モディアノの「Suspended Sentences」を読んだ

今年のノーベル文学賞が発表されたということで、ノーベル賞つながりの読書ポスト。 パトリック・モディアノはフランスの作家で、2014年のノーベル文学賞受賞者です。お父様がユダヤ系イタリア人だったということで、ナチス・ドイツ占領下のパリを舞台にした…

6月に読んだ7冊の良書 - キャッチ-22, ティファニーで朝食を、他

夏が始まって1ヶ月がたった! 3つやっているインターンはどれも順調で、日々出版業界について学んでいます。そのうちの一つ、ブックスカウトのアシスタントとして原稿を読むものに関しては、22冊の未販売の本の原稿を読んでレポートを書きました。げーってな…

インターンシップ活動 @ アメリカ

やっと、やっと、インターンシップを追い求める旅が終わった…長かった。太平洋の向こうで水素水がはやったり、ベッキーが早速復帰したりする中、私はひたすら期末試験と戦い、インターンに応募し、落とされ、また応募して、を繰り返していました。結論から言…

日本人ではなくアジア人であるところの私  

先日、キャンパス内で携帯を落としてしまった。あーあ、誰か拾ってくれてるといいな、と思ったら、たまたま友達といたところに大学のオフィスから彼の携帯に電話がかかってきて、「失くし物で届いた携帯にあなたからのメッセージが表示されているんだけど、…

バイリンガル向けのキャリアフォーラムに行ってきた

今月の頭、4月9日に開催されたU.S.キャリアフォーラムなるものに行ってきたのでレポートしたいと思います。最近やたら就職やらビザやらについて書いてますが、私が来年無事に就職なり大学院に行くなりするまではちょこちょこ書き続けると思います。だってそ…

米国籍がない時にアメリカで就職するという無理ゲー

私は日本人の両親を持ち、福岡で産まれました。従って日本国籍を持っており、裏返して言えば、他の国籍は持っていません。これがアメリカで就職するにあたってけっこう厳しい状況を引き起こしていて、しかもぼんやりとしていた私はその事実に最近になって気…

英語で書くことを学ぶ時に必ず読む一冊    

古典と言っても過言ではない一冊。真剣なライターなら少なくとも一年に一回は読み返すべし、と言われています。実際書くことについての本を読むと、ほぼ必ずと言っていいほどこの本への言及があって、「Elements of Styleが言わずと知れた古典なのは分かった…

テイラー・スウィフトに学ぶ、開き直る強さ

私がアメリカに来てびっくりしたのは、日本の女子高生の間では彼女を好きじゃないと女子失格みたいに扱われるテイラースウィフトが、本場アメリカではださい・頭悪い・ぶりっこシンガー、彼女の音楽を聞いているなんて公言するのは恥ずかしい、というスタン…

アメリカの大学のねずみ事情

アメリカで寮に住むということはねずみを共存するということでもあります。少しでも食べものの匂いがする部屋はだいたい彼らの通り道になっていて、ひっそりと部屋に侵入してくる彼らはお菓子を食べ、プラスチックを食い破り、ふんを落として帰っていくので…

私は勉強しかできなかった

特別お題「青春の一冊」 with P+D MAGAZINE 皆さんの青春の一冊はなんですか?私の一冊はこの本です。 ぼくは勉強ができない (新潮文庫) 作者: 山田詠美 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 1996/03/01 メディア: 文庫 購入: 4人 クリック: 238回 この商品を含…

ねこあつめに今更はまっている話

大学二年生の冬休み、キャンディクラッシュをダウンロードしたら、冬休みが消えた。ついでに次の学期の最初の二週間くらいも消えたので、こりゃいかんと思って、真夜中、最後の一ゲームをプレイした後に積み上げたデータを断腸の思いで消去した。 そんな経緯…

マリリン・ロビンソンの「Housekeeping」を読んだ

マリリン・ロビンソンはアメリカの作家・エッセイストで、詩のような美しい散文に定評がある。これまでに四冊の小説と、五冊のノンフィクション作品を出版していて、二作目の小説ではピューリッツァー賞も受賞しているんだけど、邦訳作品は「ピーターラビッ…

くまった話の続き!アイデンティティとは

続きはまた明日って書いたのにだいぶ間があいちゃった。というのも、過去のことをまとめるのは簡単だけど現在の分析をするのはなかなか難しくて、そもそも難しいから悩んでいるわけで、簡単に書けたらそもそも書いたりしないよね、という… 無事受験を乗り越…

くまった!やりたいことが分からない

大学三年目にして「やりたいこと・本当に興味のあること」が見つからないという超典型的な悩みに直面しています。いやいや今更!?王道すぎて自分でも笑えてくる… そもそも私は「やりたいこと・本当に興味のあること」を見つけたくて留学までしたようなもの…

春がきた

3月下旬、朝夕は肌寒いけれど、10度を越える日が安定して続くようになった。待ちに待った春!今年はぐずぐずと冬が続いて、まさかの立春の日に雪がふるというカレンダー泣かせの天候でした。でもここ何日かでやっと桜のつぼみがみえてきて、日に日に花壇がに…