やねうらストーリー

東京で働く人の、頭の屋根裏にあるこぼれ話

英語で書くことを学ぶ時に必ず読む一冊    

 

古典と言っても過言ではない一冊。真剣なライターなら少なくとも一年に一回は読み返すべし、と言われています。実際書くことについての本を読むと、ほぼ必ずと言っていいほどこの本への言及があって、「Elements of Styleが言わずと知れた古典なのは分かったうえで、何か追加できるものがあればと言った感じで書きました」という断り書きが大抵前書きにあります。それくらいこの本は基本的なところをしっかりとカバーしていて、何度読み返しても参考になる。私は大学受験の時にエッセイを書くにあたって先輩にすすめられて買ったんだけど、それ以来、全体を通しては三回、気になったところだけだともっと、回数を読み返している。

 

1918年の初版以降、幾度か版を重ねる内に内容が増えたり推敲されたりしているんだけど、私が持っている版の内容は「I.文法の基本的なルール」「II.作文の基本的な法則」「III.フォーマット」「IV.よくある言葉遣いの間違い」そして「V.スタイルへのガイド」の五本立て。I-IVではits とit’s の違いとか、コンマの使い方とか、文法のルールをユーモラスな例文を使って教えてくれる。V.はしっかりとした文章を書くには何に気をつけたらいいか、スタイルとはどのように確立するものか、などをたった21個のルールを通じて丁寧にカバーしている。

 

何度も強調される一番大切なメッセージは、いらない単語は削れ、全ての単語に意味をもたせろ、ということ。

 

Vigorous writing is concise. A sentence should contain no unnecessary words, a paragraph no unnecessary sentences, for the same reason that a drawing should have no unnecessary lines and a machine no unnecessary parts. This requires not that the writer make all his sentences short, or that he avoid all detail and treat his subjects only in outline, but that he make every word tell.

— "Elementary Principles of Composition," The Elements of Style

 

指でつまめる薄さなのに黄金の価値を持つ本。日本の大学受験生にも役立つと思うし、そうでなくとも、言語を問わず書くことの基本をエレガントな文章で教えてくれるので、文句なしにおすすめの一冊です。